プレスリリース

2020.12.17

当社製深紫外LEDの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する不活化効果(99.99%)について

日亜化学工業株式会社(本社:徳島県阿南市、社長:小川裕義 以下「当社」)は、当社製280nm深紫外LEDを用いた実験において新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化効果(99.99%)を確認しましたので、下記のとおりお知らせいたします。

1.実験結果の概要
この実験は、徳島大学大学院医歯薬学研究部 野間口 雅子 教授および 駒 貴明 助教が実施いたしました。
この結果、新型コロナウイルスに対して、30秒の紫外線照射で99.99%の不活化効果(表1)を確認いたしました。
新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価(経済産業省)は、除去効果について99.99%以上の感染価減少率を目安として有効性を判断しています。
感染症防止対策として推奨されている手洗い等の殺菌効果は、
・ 流水で手洗いを行った場合は、15秒で99%程度1)
・ 一般的な消毒用アルコール(エタノール濃度77~81%)を用いた場合は、30秒で99.99% 2)
とされておりますが、流水でより高い除去効果を得るためには十分なもみ洗いが必要であり、また消毒用アルコールを用いる場合は対象物に十分量のアルコールが接触することが必要となり時間や手間を要します。
深紫外LEDを用いることにより、短時間で手間をかけることなく高い殺菌効果が期待できることが分かりました。

照射時間 不活化効果
30秒 99.99%
10秒 98.42%
5秒 93.28%

【表1】 照射時間ごとの不活化効果(参考)

【写真1】 実験環境の再現
照射条件は、照射距離 50mm 照度1.7(mW/cm2


(SARS-CoV-2/Hu/DP/Kng/19-020, Genbank: LC528232)は、神奈川県衛生研究所より分与)
【図1】

2.殺菌パワーについて
深紫外LEDを用いた殺菌には、次の2つの要素が必要です。
・ 波長 : 波長別殺菌効果3)では一般的に260nmの波長(殺菌効果100%)が最も有効【図2】とされる。
・ 光出力 : LEDの光出力(放射束)が強いこと。【図3】
波長別殺菌効果 × 光出力により求められる値の高さが殺菌パワーの強さとされています。【図4】
今回の不活化実験に用いた280nm深紫外LED(以下、280nm品)と当社が開発中の265nm深紫外LED(以下、265nm品)との比較結果は、次のとおりです。
殺菌効果 : 280nm品は60%、265nm品は95%であり、280nm品の殺菌効果は約0.6倍(63%)の水準【図2】
光出力 : 280nm品は70mW、265nm品は35mWであり、280nm品の光出力は2倍(200%)(光出力は約2Wの電流投入時の出力)【図3】
殺菌パワーは、280nm品が265nm品に比べ約1.3倍(127%)に高くなります。【図4】
また、当社では推定寿命を280nm品が約2万時間、265nm品が約2千時間と見込んでおり、280nm品の寿命は約10倍となります。
紫外線LEDは、波長が短くなると出力、寿命等の性能が低下し、電力変換効率(WPE)が極端に低くなる特性を持っております。これが、280nm品の高い出力と長寿命につながっていると考えております。
これらを踏まえて、当社は殺菌パワーが高くなるポイントと寿命を考慮し、280nmの波長を用いて今回の不活化実験を行うこととしました。

【図2】波長別殺菌効果

【図3】光出力

【図4】殺菌パワー

3.試作機の寄付について
今回の不活化実験を行うために試作したハンディUV照射機は、徳島県に20台、徳島大学に30台を寄贈いたします。充電式で持ち運びも非常に容易であるため、アルコール消毒ができない箇所や共同スペースでの除菌等に、ご活用いただきたいと考えております。

NCSU334B

6.8x6.8x2.12
波長 280nm
放射束 70mW
電流 350mA
順電圧 5.5V
WPE 3.6%

深紫外LEDを25mm間隔で12個搭載、このLEDのピーク波長Typ.280nm(ナノメートルは、10億分の1メートル)の放射束はTyp.70mW、電力変換効率(WPE)は 3.6%と、いずれも業界最高(当社調べ)を達成しています。

当社は、より殺菌効果の強い高出力の深紫外LEDの開発に今後も注力する所存であり、新型コロナウイルスに打ち勝てる、この深紫外LEDが様々な製品に利用され、皆さまの生活に少しでもお役に立てることを期待しております。

出典
1)感染症学雑誌、80:496-500,2006
2)日本防菌防黴学会誌、 J. Antibact. Antifung. Agents Vol.48, No.9, pp.477−480(2020)
3)JIS Z8811-1968

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本件に関するお問い合わせ先

日亜化学工業株式会社
広報担当
代表TEL:0884-22-2311
FAX:0884-23-7717