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Dynasolis™

人々に活力を与える空色と安らぎを与える電球色の組み合わせ

製品の特徴

Dynasolis™とは

高演色・高効率を維持しつつ、メラノピック照度※1と色温度の調整を同時に行うことによって、サーカディアンリズムを整える全く新しいLED調色ソリューションです。
これまでのヒューマンセントリック照明は、主に「色温度を変えること」に主眼が置かれた調色照明がメインでしたが、当社は、「起床から就寝までのサーカディアンリズム」にも注目し、目覚め時の活力を与えるスペクトル(空色)から、就寝前の安らぎを与えるスペクトル(電球色)までをLEDで演出することで、いわゆる「調色+調スペクトル照明」を実現し、屋内で過ごす時間が長い現代人の体内時計の適正化と快適な生活をサポートします。

※1 メラノピック照度
従来の照度とは異なり、網膜上の光感受性神経節細胞であるintrinsically photosensitive Retinal Ganglion Cells(ipRGCs)に重み付けされた照度で、WELL Building Standard(Well認証)において、サーカディアン照明の評価項⽬として採⽤され、⽇本でもオフィス設計に新たに取り⼊れられている指標です。メラノピック照度が高い光を浴びると体内時計の調整を担うホルモンであるセロトニンの分泌が促されます。

Dynasolis™の特徴

開発背景とコンセプト

昨今、自然光が人体に与える影響の大きさが注目を集めており、その重要性が再認識されています。現代人の多くが抱える不眠や体の不調などのかなりの部分が、自然光を十分に浴びることが難しい現代のライフスタイルに起因すると考えられており、建築業界においても自然光をもっと屋内に取り込むデザインが推奨されるなどの動きも出ています。また照明の分野でも、いかに人間が快適に過ごせる光環境・照明環境を実現するかという事が大きな課題とされ、いわゆるヒューマンセントリック照明、サーカディアン照明なども関心を集めており、「光の質」「光の機能」にも焦点をあてた新しい屋内照明が求められています。

従来の屋内照明で不足していたのが、朝日に多く含まれる480nmの光です。この480nmの光は、幸せホルモンと呼ばれるセロトニン※2を分泌させ、人間の心身の活性化を促します。午前中にセロトニンを多く分泌させておくと、それが原料となって14~16時間後に睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニン※3が分泌されやすくなることもあり、二重の意味で480nmの光は重要です。
当社はこの480nmの光に焦点をあて、その波長の光を効果的に補充できる空色(Azure色)LED(図1)および、それを用いた調色・調スペクトルソリューション、Dynasolis™を提案しています。

図1:480nmの光を効果的に補充できる空色(Azure色)

※2 セロトニン
朝⽇を浴びると、⼤脳内に幸せのホルモンとも呼ばれるセロトニンが分泌されて脳の働きが活発になり、精神状態が安定し、安⼼感や平常⼼が得られ、作業効率が上がり、ミスが減ります。また⽼化を促す活性酸素を除去してくれます。⼀⽅セロトニンが不⾜すると、慢性的ストレスや疲労、イライラ感、向上⼼の低下、仕事への意欲低下、協調性の⽋如、うつ症状、不眠、時差ボケといった様々な症状が現れます。

※3 メラトニン
メラトニンは、脳の松果体と呼ばれる部位でセロトニンを材料にして作られる睡眠ホルモンです。朝起床してから、14時間後からメラトニンは分泌され始め、2時間で分泌量はピークに達します。メラトニンの分泌が1日24時間の生体リズム(体内時計、概日リズム)を作り上げています。日中に太陽光を十分にあびられない環境などでは、メラトニンがうまく分泌されなくなり、体内時計が乱れ、夜になっても眠れない睡眠障害が引き起こされることがあります。

Dynasolis™のメカニズム、および従来の調色照明との比較

従来の調色照明は、高色温度側に主に6500K、低色温度側に2700KのLEDを使って調色していました。
Dynasolis™では、高色温度側を空色(Azure色)LEDに置き換えて調色することで(図2)同じ白色でも480nmの出力を高めてメラノピック照度を最大化することができ、目覚め~午前中の心身の活性化と、夕方以降のメラトニンの分泌を促します。さらに空色光を徐々に減らしながら低色温度側へ向かうことで、安らぎを与える光までの演出を可能にし、サーカディアンリズムの正常化に調スペクトルの視点からアプローチします。

図2:Dynasolis™の調色範囲

Dynasolis™は、高色温度と低色温度の白色の比率を変えるだけで調色するというこれまでの概念を覆し、480nmの空色光の重要性にフォーカスした全く新しい調色・調スペクトルソリューションです。

以下(図3)では、従来の調色とDynasolis™の調色で同じ色温度(6500K)でスペクトルを比較していますが、メラノピック感度曲線のピークがある480nmにおけるスペクトルの高さが大きく異なります。

図3:Dynasolis™と従来の調色スペクトル比較

利用イメージ

Dynasolis™の特徴は、人々に活力を与える480nmの空色(Azure色)の量と色温度の両方を調整することにより、体内時計の適正化をサポートできることです。

空色(Azure色)で目覚め、朝日に多く含まれる480nmの波長の光をたっぷりと浴びることによってセロトニンの分泌が促され体内時計の正常化に繋がります。
その後、日中の活動時間帯は、自然光同等以上の空色光を多く含む爽やかな高色温度にすることで、注意力の向上、集中力の維持を促します。そして夕方以降は、空色光を徐々に減らしながら落ち着いた低色温度に向かうことにより、リラックス効果や安心感、そしてスムーズな睡眠への移行を促します。このように空色光の量と色温度を同時に調整することで、よりサーカディアンリズムに配慮した、人に優しい照明としてご活用いただけることを期待しています(図4、5)。

図4:従来の6500Kと空色(Azure色)のMEER比較

図5:一日の調色例

Dynasolis™は、Direct Mountable Chipシリーズあるいは757シリーズで、空⾊(Azure⾊)と電球⾊を交互に実装するだけで、⾃由な調⾊‧調スペクトルが可能になります(図6)。

図6

Dynasolis™ White Paper

Dynasolis™ -真のヒューマン・セントリック・ライティング・ソリューション

ヒューマン・セントリック・ライティング(HCL)が注目を集めつつある昨今、多くの照明メーカーが、より良いサーカディアン照明を目指してHCLの機能を研究している。本文書では、HCLの基本概念と、シアン光が人間の健康と幸福感に及ぼす影響について解説する。また、当社のDynasolis™の特徴を述べると共に、フラウンホーファー研究機構建築物理研究所による、Dynasolis™照明ソリューションの認知・心理的効果に関する研究結果についても詳述する。

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