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2025.11.12

日亜化学とイルミメディカルが体深部への光治療を可能にする超小型レーザー光源搭載カテーテルを共同開発 — LASER WEEK in Tokyo 2025で公開 —

  • 血管を通じて体深部に光を届ける超小型光源搭載カテーテル照射システムの開発をイルミメディカル社と進めています。
  • 2025年11月22〜24日に開催されるLASER WEEK in Tokyo 2025のイルミメディカル社の展示ブースにてデモ機を公開します。

日亜化学工業株式会社(本社:徳島県阿南市、社長:小川裕義 以下「当社」)とイルミメディカル株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役CEO:塚本俊彦 以下「イルミメディカル」)は、両社が保有する「次世代レーザー光源技術」と「カテーテル型光治療技術」を組み合わせた血管内レーザー照射システムの共同開発を進めています。

<背景>
これまで、光線力学療法(PDT)や光免疫療法(PIT)*など、医療における光の活用は、体表面や内視鏡で到達可能な範囲に限られており、脳や膵臓、肝臓などの体深部に光を届けるには、開頭・開腹といった侵襲的な手術が必要でした。

(*)光線力学療法(PDT)や光免疫療法(PIT)
光線力学療法(PDT)や光免疫療法(PIT)は、光を活用したがん治療法です。がん細胞に集まる薬剤にレーザー光を照射することで、がん細胞を選択的に破壊します。体への負担が少なく、正常な組織への影響を抑えながら治療できるため、次世代の低侵襲がん治療として注目されています。

<内容>
当社とイルミメディカルは超小型光源を先端に搭載するカテーテルを開発し、血管経由でターゲット部位にアプローチして、低侵襲に体深部に光を届けるというシステムを開発しております。
両社の取り組みは、従来のカテーテルが持つ「焼く・切る・置く・測る・吸う・薬を届ける」といった機能に、「光を届ける」という新たな選択肢を加えたものです。血管を通じて体深部への光照射を低侵襲で実現し、患者さんの身体的負担を大幅に軽減することが可能になります。また、既存の手術室設備や医師の手技をそのまま活用できるため、特別なインフラ整備や運用変更を伴うことなく、スムーズな現場展開が期待されます。


血管内治療とほぼ同様の設備、手技で使用が可能

<製品の特徴・優位性>
・体の奥深くへのこだわり
世界最小クラスの超小型半導体レーザー光源により、細く柔らかなカテーテルを実現し、体の奥深くまで光を届けます。(特許出願済)

・体深部で安全に、狙った部位に、正確に光照射
手元の見えない体深部で、冷却機構、安全センサ、照射光の方向を正確に把握する仕組みを搭載しています。(特許出願済)

・拡張性と流通に配慮した製品
光源メーカーが直接開発に携わることにより、薬剤の吸収特性に応じた任意の波長(例:664、690、730nm)、光の質、照射方法の提案が可能です。このため、これまで製薬業界で事業性の観点から光治療に参入の難しかった顧客に光治療用薬剤を開発するインセンティブを高めることが期待されます。

*LASER WEEK in Tokyo 2025のイルミメディカルの展示ブースにて本デモシステムを公開します。
LASER WEEK in Tokyo 2025 公式HP:https://www.gakkai.co.jp/laserweek2025/

<両社コメント>
イルミメディカル株式会社 代表取締役 CEO 塚本 俊彦
「日亜化学との協業は、私たちの技術力をさらに高め、医療現場に真に役立つ光医療技術の実現に大きく近づくものです。今後も多くのパートナーと共に、医療の未来を切り拓いていきます。」

日亜化学工業株式会社 常務取締役 小崎 徳也
「イルミメディカルの臨床現場に根ざした視点は、我々の技術開発に新たなインスピレーションを与えてくれます。世界中の患者さんに新しい治療の光を届けるため、今後も協力を深めてまいります。」

イルミメディカル株式会社について
イルミメディカル株式会社は、血管内光照射システム・血管内光照射デバイスを開発する2023年2月に設立された名古屋大学発のスタートアップです。がん治療にとどまらず、アルツハイマー病などの神経系疾患や再生医療領域への応用も視野に入れて活動を行っています。2024年3月にシードラウンドの資金調達を完了した他、2024年9月には週刊東洋経済「すごいベンチャー100」2024年版にも選出されています。

日亜化学工業株式会社について
日亜化学工業株式会社は「Ever Researching for a Brighter World」を企業理念に掲げ、光とエネルギーに関連する二大分野において挑戦領域を拡げています。1956年に特殊化学品メーカーとして設立され、蛍光体のリーディングカンパニーとなりました。その後、1993年に最初の高輝度青色LEDを、1996年には最初の白色LEDを開発・商品化しました。さらに、2001年にはレーザーダイオードの量産販売を開始し、現在では紫外~赤色の波長帯をラインアップしており、産業分野をはじめ、民生、車載など、幅広い分野に利用されています。当社は、今後も独自の技術を進化させ、世界に貢献する企業であり続けたいと考えています。詳細な情報は、www.nichia.co.jpをご参照ください。

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