ニュースルーム

TOP > ニュースルーム > 製品関連 > Dynasolis™ 搭載サーカディアン照明を用いた臨床研究にて、入院患者の転倒者数半減

2026.2.4

Dynasolis™ 搭載サーカディアン照明を用いた臨床研究にて、入院患者の転倒者数半減

日亜化学工業株式会社(本社:徳島県阿南市、社長:小川裕義 以下「当社」)は、当社のDynasolis™を用いたサーカディアン照明1環境に関する研究結果が、スイスの国際オープンアクセス医学誌『Healthcare』(MDPI社出版)に掲載されたことをお知らせします。本研究は、兵庫県明石市の明石仁十病院にて副院長の沖波 武先生によって実施されました。研究の結果、サーカディアン照明(Dynasolis™搭載)を導入した病室で過ごした入院患者の転倒者数は、従来の蛍光灯照明の病室で過ごした患者と比べて約半分に減少したことが確認されました。

<研究概要 >
論文:
タイトル:Circadian Lighting Was Associated with a Reduction in the Number of Hospitalized Patients Experiencing Falls:A Retrospective Observational Study
URL:https://doi.org/10.3390/healthcare13141692

研究内容:
病棟において、概日リズム(サーカディアンリズム)2に配慮した照明環境を構築。色温度や明暗のサイクルを調整し、患者の睡眠リズムや覚醒状態を改善することで、転倒予防に効果があるかを検証。従来の蛍光灯照明下で入院した患者(対照群)とサーカディアン照明下で入院した患者(介入群)を比較。


図1. サーカディアン照明を導入した病室
(出典:Healthcare, 2025, 13(14), 1692)

結果:
転倒者の割合は15.0%から7.4%へと約半減しました。
また、80歳以上の高齢であることや、抗てんかん薬・認知症治療薬・睡眠薬の服用といったリスク因子の影響を考慮しても、サーカディアン照明の導入が転倒リスクを44%低下させることが示されました。


沖波 武先生コメント

「生物には24時間周期の地球環境に適応するための体内時計が備わっています。各臓器や細胞が持つ末梢時計4を同調させ、全身のリズムを制御しているのが脳の視交叉上核(中枢時計)であり、その主要な同調因子が「光刺激」です。しかし、現代社会における光環境の変化は体内時計の乱れを引き起こし、睡眠障害や循環器疾患、認知機能低下など多岐にわたる健康被害の要因となっています。
こうした課題に対し、生理学的に適切な光環境を提供するのが「サーカディアン照明」です。我々が行った臨床研究において、入院病室へのサーカディアン照明導入は、入院患者の転倒リスクを44%有意に低下させました。この結果は、照明介入による概日リズムの正常化が、睡眠障害やせん妄、夜間頻尿の改善を介して転倒予防に寄与したことを示唆しています。
非侵襲的5であり副作用のリスクが極めて低い点は、臨床応用における最大の利点です。転倒事故に伴う医療・介護スタッフの負担や医療経済への悪影響を軽減できる点も考慮すれば、本技術による転倒予防は新しいスタンダードとなる可能性を秘めています。今後、サーカディアン照明の普及と共に転倒予防に対するエビデンスがさらに蓄積され、体内時計の乱れに起因する様々な疾患に対する予防や治療における新たな選択肢としても、研究が進展することを期待しています。」

Dynasolis™ は、人に活力を与える空色のLEDと、安らぎを与える電球色LEDを組み合わせることで、サーカディアンリズムの適正化を生理的に促すことを狙いとしたLEDソリューションです。サーカディアンリズムを整えるセロトニンの分泌を促し、目覚めから午前中にかけて心身を活性化させるとともに、その後、夕方以降のメラトニン分泌にもつながります。今回の研究を通して、サーカディアン照明は転倒予防の新しいアプローチとしての可能性が示されました。

当社は、人々が健康で豊かな生活を送れるよう、LEDを用いて「光」でできることを考え、製品開発に取り組んでいます。病院だけでなく、介護施設や住宅へのサーカディアン照明の普及を推進することで、安全性と快適性を高め、心地よい空間づくりに貢献してまいります。

Dynasolis™についての詳しい情報はこちら:Dynasolis™

製品に関するお問い合わせ先:お問い合わせ入力フォーム

Note:
1 サーカディアン照明:太陽光の変化に合わせ、時間帯ごとに光の色や明るさを自動で変化させる照明
2 サーカディアンリズム:生物が持つ約24時間周期の生理的リズム
3 坐骨骨折1件、肋骨骨折1件、硬膜下血腫および肋骨骨折1件
4 末梢時計:肝臓や心臓などの臓器にある体内時計で、脳の中枢時計と連携して全身の代謝やホルモン分泌などのリズムを整える
5 非侵襲的:体を傷つけたりすることなく行える方法